みたびの春 (5) 最高速の感謝

だいぶひっぱった小倉の巻、これでラスト。本題であるはずの話題にほとんど触れていないのは気のせい。まぁ、どうせ書くなら楽しい話の方がええやん。


カーテンを閉め切り、夜景を堪能する夕食後。


LED が白ければ N、赤くて短編成で V のいない時間帯なら RS。光だけでも結構手掛かりになるものだ。

そして翌朝。7時に起きて 6A を見送る。小文字山を背景に W を撮れるのは多分これきり。新幹線ビューな部屋でよかった。

3回忌はどうにか無事終了した。
と一言で済ますにしては色々あったが。なんせ、控えめサイズの祖父宅に十数人をつっこむのが無謀。しかもお経の真っ最中に寿司屋が到着。さらにその寿司が壮大に余り放題。個人的には、お坊さんの滑舌が著しく悪いのも相まって強烈に眠く、手をつねってもほとんど効果なし。祖父宅到着直後に「おかげでいろんなもの観れました、おばあちゃんありがとう」て拝んでた時の方がよほど真面目やったかも。
あとは従兄の奥さんと、終始仲良く喋っていた。あるんだよ色々。表立っては言えなかった愚痴が大量に。それぞれの憂き目の実状を暴露しては「あーわかる!」。お互いに苦労の末、同じようにスルーの術を会得していたのは笑った。

明るいうちに解散。父が借りたレンタカーで、親戚を2人ほど家まで送ったら終了だ。
17時台前半。帰りの新幹線候補を尋ねる父に、時刻表を読み上げる。17:47はないとして、18:17、18:41、19:10。渋滞があったら17分は無理、と父。…なけりゃ間に合うんだな? 思わず手を合わせた。
お願いしますおばあちゃん。我々を17分のに乗せてください。

その甲斐あったか、車を返却したのは17:50。17分に乗らんと暇やね、とわたしは何気なく念を押し、父は迷わず17分のを買った。かしわめしとお茶、おみやげを買ってトイレに行っても余裕。再び心の中で祖母に感謝。
そこまで18:17にこだわった理由は、ほかでもない。

まさかの 50A 乗り納め実現きたきたー!!

さすがに編成番号を観に行く余地はなかったが、多分 W8。そしてグリーン。中途半端な区間でも、乗れるだけでありがたい。


V 化の折には撤去されてしまう、フットレストと、500グリーンが神たる所以の枕。写真だと空気輸送に見えるが、広島や岡山で随分埋まった。自由席はあふれかえっていた模様。

「300km/h」の誇らしげな表示も度々登場。新山口過ぎを筆頭に、少なくとも4回は確実に。その度ににやにやするあやしい客がひとり。

19時を過ぎ、かしわめしを紐解く傍ら、車窓が気になる。

広島で待っていた 668A。一瞬見えた先頭車は、ホームの売店の光にかき消された。その後、弁当のゴミを捨てると称して席を立つ。目的は2つ。


1つはグリーン車の記録。

そしてもう1つは、空席で撮影。山陽区間限定で「新幹線グッズ」を車内販売するよ、という放送に見事釣られた。大の大人がこれだけ買っても「くま土産」という魔法の言葉で無問題。
V3 チョロ Q とマグネットはトレインボックスでも売ってるが、ストラップは? 販売元が「フードサービスネット」なんで、車内限定やったりして。T5・R・F・W・E・N と西車両が繋がってておもろいよ。

席に戻って、あとは座り心地を存分に堪能。枕効果は絶大で、椅子全体の柔らかさもぴったり。N の乗り心地はまだ知らんが、わたしにはきっとこれが最強にシンクロナイズドコンフォート。

読書灯とオーディオもいずれ撤去される。馬場さんの0系ソング流れてたんなら、イヤホン持ってくればよかったな。

そんなこんなで新神戸着。途中からすっかり暗闇と化した風景の中で、徳山の工場群のきらめきが印象的だった。あれを上りの W で楽しむ最後の機会を得たのは、幸せなことやな。

四つ葉マークと「のぞみ 東京」の組み合わせをのんびり撮っていたら、背後がやかましい。8号車に乗ろうと、外国人観光客十数人が凄い勢いで1つの乗車口に押し寄せていた。停車時間オーバー確実なその光景に、駅員さんが走る。おつかれさまです。
こうして、1泊2日の小倉遠征は終了。当初、こんなに実のある旅になるとは夢にも思わなかった。紆余曲折が巡り巡って幸運を呼ぶこともあるんやね。

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