実録・おひとり様物語 雪峰編 (3) 仲間のいる風景

翌日になってどばっと疲れが来るのは、ひとえに気が抜けるからやろな。再び勉強に集中できるようになるまで、まず休養か。
静岡ツアーの巻はここから2日め。


願いは空に通じた。清水港越しに日が昇るにつれて、桃色から橙色へとうっすら表情を変えていく山肌を眺めながら、即席スープを流し込む。のんびりと食べてはいられない。富士が出たなら、撮りたいものがある。
朝ラッシュにまぎれて移動。気合いを入れて急坂を昇ると、またも先客が。わたしが言うのもなんだが、撮り鉄界には「平日」をものともしない人が多い。

日の出より早く起きたのは 9A のため。原寸で観ると粗いが、まあこんなもんかと。富士山がしっかり見えてるのでよしとする。

さらに場所を移して、富士に背を向ける。用宗トンネル、有名な場所であることは知っていたけど、来るのは初めて。うちから前泊なしではちょっとつらいな。
線形と立地からして、大津トンネルに近いものを想像していた通り、架線柱抜きの望遠。うちの場合、絞りをきつくせざるを得ない。露出が足りるか不安だったが、後ろの壁で測光したら意外といけた。

むしろ白いやつらは、アンダー気味で撮った方が飛ばなくて好都合か。それより、柱の影が顔にかからんように避ける方が余程気を遣う。

で、数枚練習していたのだが。寒い。
だってここ日陰やし! いい具合に座れる箇所がある(1名様限定?)のは非常に嬉しいが、とにかく寒い。長丁場に備えて、スパッツ履いてみたり膝掛け持参したりと工夫はしていたものの、それでも数時間粘ったら風邪確実なレベル。
これはいかん、と、日なたに出て猫のごとく暖をとりまくる。
上りが遅れているっぽい。調べると、今度こそ雪の影響。N の通過で推定するに、5〜10分ってとこか。


在来線にトヨタ専用貨物が長時間停車。それをのんびり見下ろしていたら、突然、道路で立ち止まった通行人と目が合った。
…何故か一瞬でひらめいた。同業さんだ!
急いで定位置へ戻る。案の定、背後から落ち葉を踏む音が。本当にこの世界は平日も休日もないな。
と、隣に現れたのは違う人だった。さっきの人は上に回ったらしい。お隣さんは、座って撮るわたしをうまく避けて三脚をセットしてくれた。須津で気が楽になったのか、同業さんとのやりとりが少しスムーズになった気がする。
その少し後、さらに1人登場。ここは4人が限度か。

約1時間、寒さと粘りの耐久戦。じっと待つのもなんなので、とにかく数撮って練習。

N も(正確には Z)真面目に。今撮っとけば、いずれ N だらけになった時撮らずにすむかも、というせこい考えも若干ありつつ。

B は数本。一番ピント合った分は、影がライトにかかって眼鏡みたくなっちゃったので没。

6A 直前の300。J ばっかり観た気がする。置き換えターゲットになってるから、今のうち。

そしてお待ちかねの 6A。まずまずですな。

いやー、止めたいところで止めるのが明らかにやりやすくなった。1/2000 って楽だわ! カメラの性能上、それを出せる感度と絞りが極めて限られるけど、出し方さえ判っちゃえばなんとかなるもんやね。
そのかわり、きちんと柱抜けるまでズーム寄ると速度が稼げないので、ここに出してる分は全部トリミング済。自分用ならそれはそれでひとつの解決方法だ。
こうして新幹線の本気撮りは終了。おまけを拾いつつ帰るとしよう。

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