実録・おひとり様物語 再生編 (5) 青とひかりの超特急

まとめもようやく最終回。福岡行きが決定した段階では想定してなかったイベントが、後になって飛び込んできたのは、実にラッキーだったというほかない。こういう良い巡り合わせに当たると嬉しいね。

まもなく13時。急がねば。構内をすり抜け、窓口できっぷを買ってホームへ急ぐ。とうに確保済の帰宅きっぷではなく、またしても博多南への往復。
博多は全面的に屋根付きなので、陽を浴びて動いている姿はホーム端でしか撮れない。一番いい場所らしきところには先客がいたので、控えめにズームで狙うことにした。
そして、彼はやってきた。


現役最後の年に、元の色に戻った0系。
この土日で唯一、昼間の博多に姿を見せるのが、昨日三井色で乗ったのと同じ 639A だった。
そもそもこの原色塗装イベントが決まる前から、帰りは15時過ぎの便を押さえてあった。今から0系に記念乗車して折り返し戻ってきてもなお、昼食や土産購入の時間がある。巡り合わせに感謝。

ホーム中程へ行ってみると、先頭付近は既に十数人での撮影会場と化していた。どこからともなく集まってきた同業の皆様が、撮るわ撮るわ。さらに、隣に着いたのぞみからも人が。負けじと参戦。






丸顔を強調するとかわいい。奥行きを出すとかっこいい。不思議な顔。
しかし、ホームのど真ん中に真っ黒で巨大なスーツケースをどっかんと置いたまま、その場を離れて撮影に熱中している輩がいたのには閉口した。撮影にも往来にも邪魔。そして持ち主がいい歳したおっさんだったことに唖然。やれやれ。他山の石としよう。

前日と同じように後方左列を確保して、再び10分の旅。そしてあの隊列が見えてくる。

車外に出て、0系の窓ごしにその列を眺めてみた。

よく観ると、上の写真には0系先頭がかろうじて顔を出していた。少々苦しいが、この2枚にほぼ全形式が詰まっていると言えなくもない。やっぱ苦しいか。
などと悠長にネタを撮っているうちに、青い0くんはゆっくりと動きだし、車庫へと消えていった。わたしの初新幹線は小3だから、きっとその時も乗ったに違いない。ちゃんともう一度乗れてよかったよ。

それにしても壮観だ。前日は周回にせいいっぱいで、ホームからの眺めを楽しめなかった。その分を今こそ補充。
横一線に並んだ車両たちが、今にも競走を始めそうに見えた。

いちについて、よーい、

どん! みたいな。実際、生き残り競争の真っただ中にある子が含まれているわけだが。

一旦改札を出て、しばし待機。改めて観ると、博多南駅も完全にビジュアルが西日本仕様だ。遠くに来た気がしない。

しかし、改札前でのんびりカフェオレを飲んで再びホームに上がったら、まさに100系の手前を、500の形をした何かが横切って他車両の向こうへ消えるところだった。あまりの急な事態にカメラを構えることすらできず。抜かった。
落ち着いて撮れたのはこの3本だけ。真ん中の W4 は昨日から昼寝か。

まもなく、博多へ戻る100系がやってきた。

前寄りの右列に着席。洗いたてで水滴のついた窓から、遠ざかる博総軍団を見送る。
ふと、ホームから見えなかった東側の列に目が止まった。違和感ある角張ったパンタグラフカバー。でもその色合いはまぎれもなく500のもの。…V3 か! さっき奥へ去る姿だけ見かけたのも、きっとあれだったのだろう。

駅のカフェで昼食をとり、頼まれた饅頭と自分用のひよ子系お菓子を買って、最後のきっぷで改札をくぐって帰り列車のもとへ。

470A、ひかりレールスター。何度も見かけてはいたけど、乗るのは初めて。しかも一気に全線制覇。にしても、塗装が違うだけで俄然かっこよく見える不思議。

このロゴいいよねー。

三井組の黄緑、500の青、そして RS の黄色。それぞれ色は違うけど、グレーベースで山陽を揃えたのは、個性と統一感を両立させるやり方としては正しいよな。0系原色がしっくり来るって感想と矛盾するけど。

乗ろうとして、ホームの足元が気になった。

RS は車両数が特殊だし、500はドアが少ない、そういう要素を差し引いても、その2種類はやっぱり「特別」なんだね。


広く快適な指定席。これに慣れてしまったら、のぞみ指定席が物足りなくなるだろうな。実際、博多発車時点ではこの通り空いていた車内も、新下関までにだいぶ埋まった。あえて新神戸から乗ってくる人までいたのが、人気ぶりをうかがわせていた。

壁面の落ち着いた配色。液晶画面を流れるロゴ。西日本の力の入れようを実感。

そんなこんなで、この4ヶ月で東海道山陽の全形式に乗ってしまった。いろんな意味で今しかできないチャレンジを、無事こなせたのは結構嬉しい。

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