ごゆるりと房総 (2) 妖精の笑

駅前に包丁研ぎ屋がいたのだが、店頭の POP がものすごく気になった。内容ではなくて文字の並び。縦書きで左列から右列に向かって書いている。戦前は縦でも横でも右から書いてたことを考えると、それを反転したとすれば実は辻褄が合っている…のか? いやでもやっぱ読みにくいわ。
まあそれはさておき、本日も小湊から。

車に戻り、どこか撮れるところはないかと沿線をチェックしながら進むと、よさげなエリアがあった。

手前は田んぼ、背後は森。
かつて浦安や幕張などで暮らした経験があるせいか、自分にとっては千葉というとあのへんのイメージが強い。だが実際のところ、3分の2くらいはこういう景色である、という方が正解に近い気がしてきた。

上の写真で、列車は森の周囲をカーブするように出てきた。撮った時点で我々は気づいていなかったが、実はそのカーブの先(森の裏側)は駅だった。

線路を挟んで駅の対岸にある立派な2本の銀杏も、あちらから見えていたのではないだろうか。

ここは上総大久保という駅。

やっぱりアート展示が幅を利かせていた。駅毎にモチーフが異なり、ここのテーマはふくろうかなにかのようだ。

これはこれで鉄道を盛り上げようという地元の心意気を感じる光景ではあるが、普段の飾らない姿を観たい場合は時期を変えた方がよさそう。

イベントとは関係なく、以前から待合室の壁にはトトロの絵が描いてある。地元の小学生によるものだそうで、版権云々は問わないのがお約束。ただこれのせいで、昔訪問した後友人に「小湊にトトロがいた」旨を報告したら「トトロは所沢(説が濃厚)だがなにか?」と冷静に返された残念な経験もあるわけだが。

と、そんな細かいことはさておき。そろそろ来る時間。

銀杏が見守る中、カーブを曲がって列車が顔を出す。

今度は2両。やはり朝は多客を見込んで増結していただけだったようだ。てか、ここのホームって3両分ないんじゃないすか。

停車を確認後、駅近くの踏切に移動してそちらで発車を見送った。右手にある丘の上から、小学校でのイベントの音も漏れ聞こえてくる、穏やかな一幕。

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