小京都をさすらう (3) 曲線を制覇せよ・後編

一応高山市内とはいえ、タイトルに反して観光らしい話が微塵もないのは、そういうのは昨秋にやってるのと、今回は撮ることしか頭になかったのと両方。そんな高山本線どっぷりの午後の巻。

駅とカーブの間にある A コープには、昼食ネタはほとんどなく。クッキーと野菜ジュースとヨーグルトで間に合わせ、現場に戻る。

内側から再開。12号は6両。ちょっと雲が増えてきたかな。

続いて9号。下りは遠くから真横で車両数を確認できるので、4両に合わせて立ち位置を変えてみた。あっ、すれすれで何かひっかかってる…。コンマ数秒の粘りが足りず。


踏切の傍らに勾配標。一ノ宮の駅へ向かう方が「6」。裏は撮り忘れたが「20」。そんな上り坂の上にもうひとつ踏切が。ちょっと行ってみるか。
歩くこと10分少々。あら、いい眺め。ひだに加えて久々の各停が来る頃なので、アングルを探りながら待つ。やがて鳴り出す踏切。

駆け下りてゆく2両編成。

5分後、その各停と駅で交換したであろう14号が、力強く坂を上ってくる。推定7両。そこの木が残念すぎるが、望遠がないので風景の奥行きを優先したらこうなった。

どうしよっかなー。次の上りも長いはずなんやけど、正面からカーブで綺麗に撮れる場所はなさげ。もっかい下に戻って考えるか。と、田んぼの横をのんびり歩いていたら、遠くで踏切の音。あれ。何か時刻表見逃してたかな。真逆光の中、急いで構える。

そっか、各停どうしの交換もあったんやね。ってよく観たら最後尾が。つくづく詰めが甘いな今回。

さて、最初の踏切。まもなく下りのひだが来る。時間の関係上、下りはこれがラストチャンス。坂を下りてくる側面を数える。11号は6両か。よーし。

すいません。ちょっとビビって余白とりすぎました。でもやっと全体まともに入ったよ。

最後に撮れるひだ、上りの16号(36号併結)。悩んだ末、外からゆったりと狙う。踏切が鳴り、レール伝いに走行音が響く。駆け抜ける姿を横目で数える。8両。朝の5号から富山方2両を取った状態か。

列車は悠然とカーブを過ぎ、長い坂を勢いよく上って消えた。

ところで。最後にどうしても各停で撮りたいシーンが少々あるんだよな。駅に戻ってひと息ついて、急いで戻るは小さな橋の上。

宮川にかかる鉄橋をゆく下り。

そして、すぐそこの田んぼの前をゆく上り。
両方とも、朝通りかかった時に気になっていた箇所。こののどかな感じが欲しかったんだよ。
ほぼ狙い通りに収め、レンズキャップをつけた瞬間、レンズフードに小さな水滴が落ちた。なんというタイミング。雨は高山市街へ戻るバスの窓を濡らし、宿へ向かうタクシーのフロントグラスを激しく打ち付けた。たまたま17時に両親と合流する予定だったとはいえ、本当にギリギリで乗り切ったんやな。

以上、6時間耐久ひとり撮影大会でした。同性の同業さんが少ない理由を改めて痛感した、てのが第一の感想だったりして。とはいえ、縁ある地方で非電化単線の魅力に改めて触れて、超楽しかったのは間違いない。

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