大動脈の小さな駅

今日の気分転換は市外。意外にも市の果てより近かった。大きな店の駐車場にマーチを停めて、さあ行こう。


徒歩すぐで甲南山手駅。これでほぼ全景。あぁ、この駅があと数年早くできていれば。
山手幹線を少し進んで曲がる。何か身に覚えのある道。線路をくぐって、それは確信に変わった。

坂の上の店がまったく一緒やー! 迂回ルートで使っていたに違いない。その先も、ほぼ面影を保ったままだった。吸い込まれるように進むこと数分。

うわー! あれは!

大学に入ってすぐ、半年だけ暮らした部屋。震災直後の混乱の中、奇跡的に空いていた女子専用物件。今は赤の他人が住んでいるので全面外観は伏せるけど、あの頃と何も変わらない。
造り付けのベッド、机に本棚。3人で満員のカーペット床。アイスクリームすら保存できない簡易冷蔵庫。室外機が占領するベランダ。中庭には共有の洗濯機が数台。よく覚えている。一度住んだ家はもれなく覚えるが、あんな短期間でもやっぱり「自分の家」やったんやなぁ。
ここに住んでいる間は事件が多かった。物騒な意味ではなく、人生の分岐点が次から次にやってきた。がむしゃらさと野心が最も上昇気流にあった時期だった。

しばし懐かしさに浸った後、「最寄り駅」まで歩くことにした。当時なかった甲南山手より徒歩で1.5倍以上かかる、かつての最寄り。

途中で阪急と近接する。踏切真ん前の小さな酒屋も相変わらず。
ちょっと寄り道しつつ、地図と記憶をたどって西へ。住宅街を抜けた先、細道に商店が並び、足元が石畳になったら駅前エリアの合図。初めて通った時、大変な状況の中で営業する店を観て嬉しかったっけなぁ。


店の入れ替わりは多く、毎朝電車に乗る前に寄ったパン屋も1軒減っていたが、世話になった本屋は残っていた。

坂を上りきれば、つきあたりに阪急岡本。ここを使うようになったのは六甲方面が復旧してから。その前は、どこから乗ったか、代替シャトルバスで御影まで行った気がする。


さて、もうひとつの駅へ。って国鉄かい。

しかし実際「国鉄」風情なんだよな。どうよこの時代に取り残された感。言っとくけど、その茶色くてでかい建物は駅とちゃうよ。駅はこっち。

摂津本山。しつこいようだが、これでほぼ全景。構造上増築が不可能に近いせいか、バリアフリーなにそれ状態。とはいえ、そういう駅舎もいつか建て替えの順番が巡ってくるはず。記憶にある姿をデータに残しておこう。

というわけで今日の1枚。

2駅の中間地点の青い歩道橋で、新快速を待ってみた。西行きでくぐる度に毎回「撮れるかどうかいっぺん試したい」思ってたからちょうどよかったわ。結果、架線は避けきれないが、フェンスはズームで容易に回避可能。しかもよく観たら指差喚呼の瞬間。ちょっとラッキー。

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