Report – TM NETWORK CONCERT -Incubation Period- @ 日本武道館 / 2012.04.25

参戦前より後に仕事が手につきにくくなる(ちゃんとやってるよ!)レベルのライブなんて、数年に1本あるかないか。その1本が来たようです。がつーんと。なわけで、予算の都合上 2days の後編に絞っての参加だった分全力でレポらせていただきます。記事分割したくない雰囲気なので、猛烈長文御容赦のほど。
セトリ書こうと思ったら、いつの間にかできていた Facebook オフィに2日分揃ってた。おかげで特殊曲の表記に迷わない。てか、誰かが裏でがんばってるんやなぁ…おっと、別の感慨がつい。ちなみに24日分の写真はナタリーのと完全一致。プレス向け素材かな。

もくじ

Prologue

おまけつき12,000円(送料除く)のチケの購入特典を入手すべく、1800 過ぎに現着。CD・パンフ・DVD のセットと考えると、差額4,000円は意外なほど妥当。
今回の席は2階南 D 列。当初予想より圧倒的に観やすくて歓喜。数字(後述)がすごく自然に視界の中央にある感じ。で、サイドバック追加発売により北西北東が完璧にびっしり埋まってて圧倒される。そりゃ九段下駅前に「譲ってください」さんも大量発生するわ。

ステージは足元を白い塀で丸く囲まれ、その輪郭に沿って内側に白い幕。それをスクリーンとして「02:30:40:25」書式でカウントダウンされる時間(一番上が「時」、末尾は TV と同じ30フレーム)。
余談だが開演直前、アリーナから歓声が上がって一斉に振り向かれる。うちの真下=1階席に大ちゃん・ヒロ・その他いろんな方がいたと知ったのは勿論後のこと。
客電が落ちる。皆の腕につけたブレスレットが星空のようで綺麗。

Set List

01. OPENING(Instrumental)
最初にちらっと、昨日のダイジェストらしき映像。音は昨日のものらしきエレプロ。
孵化前の卵を思わせる形の白い光。さまよう人影たち。やがて幕がゆっくりと開く。ポニーテールの女性が空を指差す。空から筒状の光。地上にいた3人は宇宙船に吸い込まれたのか。そして3本の光とともに、任務を背負った宇宙人の登場。
3本の縦長 LED スクリーンを最大限に活かしたこの演出で、今回の世界観を再確認。

02. We love the Earth
指揮をするように客席のコーラスを煽る、赤い服のウツ。ひたすらエレピと向き合う、青い木根さん。きっちり弾きつつコーラスにも精力的な先生は紫。ビロード状の布地の衣装は、光加減で輪郭が際立つ。
青の照明に青い地球と月。前日はここが Fool だったらしいので、どちらにも合うね。

03. ACTION
ある意味今回最大のしみじみポイント。アレンジが全然違う。Earth の雰囲気を引き継ぐ軽快さとメリハリが加わって、まるで別曲のよう。今にして当時の背景を考えると至極納得の「08年発表曲の靄がかかったような違和感」が完全に取り払われていた。簡単に言うと憑き物が落ちた。
まあとにかくこんなによくなるとは。先生は弾く合間にくるりと回り、ウツはタンバリンで手拍子を煽る。

04. Human System
基本的にどれも原曲ベースなのだけど、これは CLASSIX 版が混じっていたかと。
木根さんがようやく正面を向き、安定の音色でアコギを奏でる。先生は、先日いいともで自ら「伝統芸能」と呼んだシンセやぐらの四方を駆使していた。

05. SEVEN DAYS WAR
歌い出し前に、フラメンコギター風の音色で Still Love Her を先生に弾かれて、期待してずっこけた方も居られた模様。
教会を思わせる背景に白い光。荘厳ささえ漂う空間。そして間奏では照明全点灯の中、1万人で「らーらー」大合唱。もうこの時点で胸いっぱい。

06. Come on Let’s Everybody (Come on Let’s Dance+Come on everybody)
最初はごく普通に後者だったんだよ。ウツのスタンドさばきや身のこなしが軽やかなのに見とれてた。で、大サビから気づいたら前者のサビに変わってた。んで更に後者に戻り…あれ? 音がくぐもったっていうか出力が変? って中断しちゃったよー! 客電までついちゃったし!
後で判ったことだが、この「トラブル」は前日も別曲で行われた「演出」だった。言われてみりゃステージ上の皆様に余裕ありすぎ。でも初参加で2階席の距離では何が何だかよく判らず、すっかりしてやられた。

07. GIVE YOU A BEAT
先生ひとりの音出しテストのような状態から徐々に出力が上がり、この曲に移行。となると次曲に否が応でも期待してしまうわけだが、

08. Nervous
やっぱりー! この流れを生で体験する日が来るとは。しかも後半の間奏で、まさかの「古参組さんしか現場で観たことがないと思われる振り付け」。これを生で以下略。

09. 1974
曲まるごとが小さな昔話のようだった。
木根さんが取り出したのは、いかにも昭和の漂う大きなラジカセ。それを「再生」すると、わざとテープ品質の(っぽい)バックトラックが流れ出し、それに合わせて3人で和気あいあいと演奏。最後に先生が弾いたのは学校のチャイムにしか聴こえなかった。きっと、あれは遠い日の誰かさんたちの放課後の想像図。

* TK Key Solo
シンプルだった音が、次第に次曲のイントロへと溶けるように変わっていく。その過程の間に次を予想し、フレーズに気づいてにやっとさせられるのもまた一興。

10. BEYOND THE TIME
地球と宇宙を思わせる色に染まる空間。大サビ後のあの一瞬、空に向かって花が開き、そして光は宇宙へと伸びていく。ウツのファルセットも完璧。

* MC.
2012年、ここに立てて、そしてこんなにたくさんの人が来てくれて、幸せです。大意はこんなところで、2日とも既定だった模様。そして、この曲が生まれたのは必然、とも。

11. I am
ミラーボールが会場じゅうを隅々まで照らす。力をこめた姿勢で矢継ぎ早のフレーズを懸命に歌い上げるウツ。歌の半分以上でコーラスを切らさない先生。穏やかにそっと支える木根さん。サビは会場皆で声を合わせて。そして最後にかみしめるようなウツのささやき。
勿論あの曲やその曲を聴けた感慨は深いのだが、終演後から今に至るまでこれがずっと脳内を巡って離れない。

* MC.
28年の間、困難の度に勇気をもって立ち直ってきた。大事なのは自分たちを信じる心、たったひとつの心の勝利。ストレートに次曲を比喩した、これ(大意)も既定文章の模様。初期のライブに倣っているのかも。

12. Just One Victory
とてもとても忠実にベーシックに。今だからこそ、かみしめる心境が強いのかも。

13. Get Wild
中学高校あたりに観た姿がそのまま帰ってきたかのような、実にエキサイティングな先生ソロ。大きく振りかぶってあの4音を鳴らすと随所から炎が上がる。超絶マシンガン速弾きもたっぷりと。前日は更に凄まじかったらしいが、いやいやこれでも十二分に。
ここでついにウツがサビの歌詞をちょっとだけ間違う。何もなかったように歌い続けながら顔が明らかに笑ってるのが、2階からですら見えた。あれこそまさに「てへぺろ」。

14. Wild Heaven
この辺りから、ウツが木根さんの近くまで行って一緒に歌ってる場面が増えた。Earth もそうだが、自分がファンになって浅い頃の曲は、思い出補正で感慨深さもひとしお。

15. Be Together
「Welcome To The Fanks!」きたー! もうノリノリである。特にウツが。回るし踊るし、床上で不思議なごろりん回転するし。

16. Self Control
先生がじっくり奏でる C メロからの始まり。これも定番。ラストの転調前も、いつもよりボリュームたっぷり。先生の手元からは、今まであんまり聴いたことないパターンのメロディ改変もちらりと。
そして他に誰もいなくなった空間に先生のシンセだけが響き、メッセージが英語で読み上げられ、和訳が投影される。大意はこんな感じ。
「28年間の潜伏の結果報告として最も重要なのは、人間はどんな困難でも乗り越えられる素晴らしい生き物だということである」
困難を乗り越える、その一例としての「曲中トラブルとその解決」てことらしい。でもね、TM 自体というか先生本人というか、が目の前でステージに立っている事実こそが何よりの証左なわけですよ。そういう意味で、待ち続けた方としては胸にずんと来るテーマ。

17. Electric Prophet
前編で前半を披露したのかは定かでないが、とにかく「君の school days」からの始まり。そしてステージ上にはサポートさんの姿もなく3人だけの空間。
空から封筒が降ってくる。それをウツがキャッチ、中身を出して読み、それも放る。
カウントダウンの時計はもう5分を切っている。

18. TIME MACHINE
ピアノとアコギだけの、これ以上ないシンプルな構成。前曲も含め、徐々に原点回帰していく過程を観ている気分。
3人は手を振って消え、宇宙船へと吸い込まれる。白い幕が再び閉じる。減り続けた数字はついに「00:00:00:00」に。次の瞬間、その数字はプラスに転じた。時間は再びいつもの向きへ動きだす。

Epilogue

1907 開演、2109 終演。見事きっちりほぼ2時間の旅。
最初は雨避けで急いでて気づかなかったが、花の量が半端なかった。ARENA37℃(なつい…今度 TM まとめ本出すのね)/ノース・スターズ・ピクチャーズ(シティーハンターの権利持ってる会社)/ごごばん/bayfm/JFN/TFM 編成制作局/SSTV/M ステ/CX バラエティ制作センター/音組/TBS 音楽班/モスキート(→の番組の制作会社)/Music Lovers/ローソン HMV エンタテイメント/MJ/MMW(映画館中継の会社)/WOWOW/坂上忍(木根さん宛)/Gummy(先生宛。隣国の歌手。今年ライブででぱちゃカバーした模様)/Sweet Licious(先生宛。今年曲提供した模様)/坂本美雨/Shinnnosuke(SOUL’d OUT)/TRF/access(ちゃんと御二方の名前入り)/つんく/デーモン閣下(先生宛。表記は原文ママ)/岸谷五朗・寺脇康文。いやー壮観でした。

花チェックした後歩いてたら、お知り合いの皆様発見。てか開演前も特典引き換え後歩いてたら発見したんですけど。世間狭っ。これが本当の「1万人の中の1人」か。
音楽趣味を全面的に黙認してくれている旦那さんが最寄り駅まで迎えにくるということもあり、朝早いのに迎えが深夜になっては申し訳ないので、まっすぐ帰る。ただ、この後のオフのため集合していた ML の皆様には、ほんの一部ながらごあいさつ。まじで年単位ぶりなのとテンション上がりすぎで、話の辻褄が変だったかもしれない点は何卒お見逃しを。また近々ライブでお会いできるといいね。勿論 TM の。

グリーン車の中で携帯を開き、いろいろ知る。大ちゃんたちがいたこと。ウツが読んだのと同じ封筒がチラシに同封されていたこと。作文全開のパンフはてっかんじゃないのが意外だったが、観てきたものが「2014 年から時を巻き戻して観た光景」であるという設定を改めてかみしめつつ今に至る。カウントアップを始めた時計の先に、何が見えるかは今後のお楽しみ。

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