Review – 小室哲哉 : Digitalian is eating breakfast 2 / 2011.05.04

毎度お忘れかもしれませんが、うちは音楽ぶろぐでもある。しかし自分自身が写真用ぶろぐと勘違いするほどの現状のせいなのか、20年来のファンとしてあるまじき失態をついにやってしまった。
し、初回盤入手できない…。
初回出荷が潤沢なぱふゅで慣れてしまったのがいけなかったのか、実質1週間経過後の9日では既に完璧手遅れ。こんなことなら大宮でフラゲに行けばよかった。しくしくしく。松浦さんなんとかしてください。無理か。仕方ないので、限定の1曲だけ iTS で補完することといたしました。よって以下曲順は初回盤準拠。
てことで、オリコンウィークリー9位を祝して感想文。アルバムなので超長文だよ。

01. Vienna feat. Miu Sakamoto & KREVA
シンセパート多め、ラップは超有名どころ、そして聴き終わる頃には多分誰でも「♪あいむじゃすた(以下略)」。1曲めにこういう一般にもコアファンにもわかりやすいものを持ってくる、そんな先生が好きです。わかりやすいから発売直前に NACK5 とかでもリードトラック的に流されたのだろう。
しかし「媒体毎回違う形だけどシンセサイザーはタイムマシン」って、特に TM からつきあってる皆様にはさぞかし感慨深いのでは。自分含め。

02. Go Crazy feat. Krayzie Bone & K-C-O
発表当初、けーこというだけで軽く流していたが、ちゃんと聴いたら予想外によかった。英語ネイティブな方とのサウンド作りの相性が以前より上がった気がする。というか、シンセがラップを邪魔せず尚且つ負けてない。

03. 奇跡 feat. Zeebra
どことなく天と地との頃を彷彿とさせる陰影ある展開に、尖りめな音と荒めのボイスでアクセント。じわじわ来る系。

04. ほほえみのちから
これが問題の通常盤にない曲。当初、本アルバムでも稀少な「先生の声だけ」をたっぷり味わえるまたーり系として聴き入っていたのだが、終盤で絶句。なにこの予言ソング(※本来は3/23発売予定だったので完パケは震災前のはず)。でも今だからこそ必要なのは微笑という意味で、結局とってもタイムリー。THINK OF EARTH の続編とも言えるかも。

05. Every feat. Mitsuhiro Hidaka(AAA)a.k.a.SKY-HI & K-C-O
ある意味で緩急はっきりしたバックトラック。ゆったりフレーズから速い方へ振っていく過程が気持ちよかったりする。クラブとかでやると遊び心をより感じられそうだ。

06. Years Later feat. VERBAL(m-flo)
この疾走感と音使い、GABALL とか好きな方に超おすすめ。うちのことか。つーか、ラップしかないのにサビが明確にわかる曲ってすごい。
例のアレの後、avex に助けてもらった頃にサイトで使ってた曲、とどこかで読んで納得。

07. Free My Mind feat. Mitsuhiro Hidaka(AAA)a.k.a.SKY-HI
なんだか青空が見えてきそうな開放感。いかにもって感じのギミックは特にないのだが、妙に落ち着く。余裕を感じると言えばいいのだろうか。

08. L.W.R feat. Misako Uno, Naoya Urata(AAA) & Wataru Yoshida(Purple Days)
何はともあれ「先生がラップ」の時点でレアめ。作詞も100%やし、その内容からも音楽家としての矜持のようなものを感じる。自分で伝えたいという意思かも。

09. Reality feat. Nipsey Hussle
主軸を占めるアジアンな音色に、とめどないつぶやきのような英語ラップ。先生にとっての今のリアルがそのへんにあるのかもしれない。

10. Extreme
やっぱり1曲くらいは欲しいインストきたー。06が好きならかなりの確率でこっちも好きなはず(自分基準)。この手の音を量産していた頃より、音の質感や展開がリッチな気がする。

11. Carry On
先生の多重録音ボーカルを心ゆくまで堪能するための曲。それをわかってやってるのか、リズム隊は極めて控えめ、他の楽器もしっとりと寄り添うように。
で、これはラブソングに見せかけて「もう一度音楽の道を歩き出す決意と喜び」の讃歌なんだと思う。

12. Ayrton feat. Naoya Urata(AAA)
アイルトンって言ったら勿論セナ1択ですよね。そういやユーログルーブで CX の F1 曲をやったこともあったが、こっちの方がいけるんじゃなかろうか。疾走感とか緊張感とかソリッド感とかいろいろあるよ。要するに06や10と同じ系譜。

13. THX A LOT(Album Version) / a-nation’s party
実質ボーナストラック。やはりみんなで歌う系はこねっと的になるんだな。しかし、担当したワンフレーズのためにこれに手を伸ばした各ボーカルさんのファンもいるのだろうか。

総評:
「僕がまだ20世紀でやり残していたこと、今やるべきこと、そして今後に書き留めていたいこと」。帯に書いてあったこれがすべてなのだろう。そして実際にそうだと感じられる内容だった。
いちファンとしては何より、こうしてまたソロ名義で作品を出せる日が再びやってきたことが素直に嬉しい。その事実だけじゃなく、ツボに来る曲がいくつもあったことは更に嬉しい。今までのいくつもの挫折の先にあるものがこれなら、それは必要な試練だったんやね。先生にも、自分にも。

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