Report – TM NETWORK 30th FINAL @ 横浜アリーナ / 2015.03.22

前回書いた通り、現在物理的に自宅引っ越し中。しかしライブの思い出は記憶が欠けないうちに書き留めたい。結果、新大阪行き新幹線で全文打ち、実家からアップという最終手段に出てみました。むかし遠征しまくってた時よりはタイムラグあるけど、これが自分の最速。てことで、毎度の長文感想にまいりましょう。

もくじ

Prologue


開演は17時。物販開始は13時。だが、絶賛荷造り中だった自分に13時入りなどできるわけもなく、せめてと思って15時入りをめざした。おかげで、げわい 2015(現時点では会場販売オンリー)を無事確保。この時点では行列ゼロだったが、結局16時の開場頃に売り切れたらしい。いくら日曜とはいえ、時間的余裕のない人にはつらいよね。

1時間半くらい暇になり、プリンスペペのタリーズでおやつ。大通りの見える窓際席で、自分と同じような年齢層の人ばっかり横アリめざして歩いていたのが微笑ましかった。

では、翌日にはもう公開されてた公式セトリいただきます。

第1部

OP. Just Like Paradise 2015
音が出た瞬間、息をのんだ。ライブの名義上「30周年のまとめ」であることは疑う余地もなかったが、まさかいきなり EXPO のアルバム曲とは。
無人のステージに青空と雲の間を飛ぶ映像が流れ、その合間に starring 表記。久々の参加となる葛 G・べーあんにも大きな拍手が起きる。映像は飛行機からの前面展望。コーパイ席の先生がバトンを手にし、それを地上へと投下する。
そして大きく浮かび上がる FINAL の文字。3人にサポさんを含めた全員が、舞台中央1本のスポットライトの中に現れた。

01. RHYTHM RED BEAT BLACK
葛 G 参加がアナウンスされた時からほぼ全員が期待していたであろうアレ。そう、アレです。トーキングモジュレーター。独特の音色にのせて上機嫌で軽く踊るウツの動きもまた、リズレツアーを彷彿とさせる。アレンジはほぼオリジナルに忠実で、大サビ前のブレイクとアウトロに現代の先生色が少々あるくらい。
It’s call RED(BLACK)のコールでは場内が赤と黒(白ライトをうまく客席にあてると必然的に黒っぽい)に染まる。初っ端から一気に客席が暖まった感。

02. Children of the New Century 2015
そして個人的に暖まるどころか大爆発。久々に「イントロで判別できんなー」とか思ってたらこれだよ! よりによってマイ推し曲不動のトップが!! もう涙目。いや、げわい 2015 に FM 版インストが収録されてる時点で気づけって話だが。
いかにも近未来な CG。間奏ではウツの指揮に合わせて1拍ごとに火炎が上がる。2曲目にして火気投入。すんげー飛ばしてるわ。
なお “everybody children of century” 部分の歌詞やラストの台詞はないが、脳内で聴こえるので無問題。

03. Here, There & Everywhere
ギター抱えてきたウツ、「Crete Island(中略)舟は」と歌って客席をあわあわさせる。MC のない構成に全力でつっこんできた遊び心。いやはや。
それはさておき、美しい「星空」のもとで名曲に聞き惚れる。

04. SCREEN OF LIFE
久々すぎて木根さんアコギパートの時点では曲名を思い出せないレベル。
直前のよその事故でどうなるか懸念された可動 LED 板だが、安全第一の上でくいっとツアー同様に使われた。世界中の様々な景色が映し出され、3人はそれぞれに街を歩く。くいっと通常版で出てきた Next mission is commanded の文字もちらりと見えた。

CAROL2015(縮小版)

ざっくり言うと HUGE DATA 版とだいたい一緒。微妙な差異は以下にて。

05. Birth
生のウツはおらず、前回(多分)の映像と声で。

06. CAROL 2015 M1
07. A Day In The Girl’s Life

08. CAROL(Carol’s theme I)
ウツが時を止めた後、停止した世界を手で左へスワイプし、街の風景がコマ送りになる。この演出って HD 版ではなかった気が。

09. Gia Corm Fillippo Dia
10. CAROL 2015 M2
11. In The Forest

12. CAROL(Carol’s theme II)
葛 G のギターがぎゅんぎゅんうなり放題。この曲はほんとにギタリスト次第で表情が変わるねー。

13. Just One Victory
1番をインスト化して、キャロルさん(40)がウツや木根さんに語りかけるパートをここに移動。2番からは普通に歌ってた。
しかし、終盤にサビのシンガロングを振られた客席が歌ってる最中に転調をつっこんでくる先生のサド感。当然のように対応する客席はよく訓練された FANKS。

世界に音と色が戻ってくる。キャロルからウツへと渡されるバトン。

Interlude

実は一番予想外だったのが「休憩込みの2部構成」。ここんとこずっと2時間ジャストで終わることが続いていたので今回もそうだとばかり思っていたが、ファイナルは伊達じゃなかった。この時点で 18:15。20分近い休憩の間、ここ数年(IP/FM/BE)のダイジェストが流れ、その後 “We’ll restart in 5 min.” → “We’ll restart soon.” の表示。

第2部

14. 月はピアノに誘われて
中央にキーボードがセットされ、木根さん登場。喋らないものの笑顔で手を振りまくり、スタッフにもぺこり。葛 G のアコギと Ruy さんのパーカッションを合わせた、3人でのシンプル演奏となった。

15. あの夏を忘れない
なんだこの流れは。もうほぼ EXPO ツアーじゃないすか! どアタマもアレだったし、N 期から入った人狙いとしか思えん構成。まあ自分のことですけど。
締めの「すたんらんらんらんららすたーん」まで含めて概ねオリジナルアレンジだったが、2番の A メロだけしれっと CLASSIX 版を混ぜてきてて思わずにやにや。

16. TK SOLO 〜 Get Wild 2015
げわいの一部と言い切ってしまうのはもったいないレベルの大盛りソロだった。基本はセルコン(たまに DIVE INTO の「ららら」等)。譜割そのままでメロディラインを完全に入れ替えたパートもあった。溢れんばかりのレーザーの中、先生は時に両手をめいっぱい伸ばして要塞を操り、”Self Control” のサンプリングボイスの合いの手を客席に要求。さらに手拍子も要求。ある種のコール&レスポンス。先生が煽り、我々は全力で応える。
と、がっつりヒートアップしたところでげわいに突入。先生、なんとカメラのレンズにサインする。そしてスーパー火炎タイム。1拍ごとに上がったり、火柱でウェーブしたり、ランダムにガンガン出たり、最終的に全点火した後にようやくウツ登場。べーあんのドラム姿は本当に久々だが、おかずの多さが健在でうれしい。
アウトロは例によって先生の nord 芸。つまみ調節で客席の手拍子をコントロール(どんどん速くなる)。もちろん最後は投げたと同時に火薬全開。

17. We Love The Earth
さらにとどめの EXPO 感。バトンが宇宙へと飛び出し、青と緑に彩られる場内。アリーナクラスの広さだからこそ、より壮大に地球を感じる。wow wow の大合唱も圧巻だった。

18. Be Together
ウツ唯一の「歌詞にない言葉」、イントロで「30周年ありがとう!」。と同時に金色のテープが降り注ぐ。アリーナ前半列くらいまでは届いてたっぽい(わたしは後半列なので観てるだけ)。
それ以外にもウツの見どころ多数。木根さんブースにおじゃましたり、葛 G と松尾さんの間に入ってギターパートに注目を促したり、先生ブース横でノリノリだったり。

曲終了後。過去ライブ(たぶん30年分ランダム)のコマ送り映像がひとつずつフェードインして、背面に6×4面でずらりと並ぶ。先生が空に手を伸ばし、どこまでも駆け上がる音色。自然と、これまでのことが脳裏を駆け巡る。

19. I am
左右に用意してあった花道が初めて使われた。最終的に先生は下手の手前までと上手先端、木根さんは下手先端まで近くに来てくれた。その前に、先生がショルキー持って木根さんブースに入り、1本のマイクで2人まとめてコーラスするという珍しいシーンも。

We are human. とウツが両手を差し出して微笑んだ、曲終了後。HUGE DATA と同じ飛行機雲の空が映る。が、そこに流れるメッセージは違うものになっていた。

The times go on. We move on.

2言目に胸をなで下ろした人も多かったはず。

20. Fool On The Planet
そうは言ってもこれが当面の見納め、そしてこれが最後の曲かと思うと、名残惜しくてただじっと3人を見つめていた。「探し続け」るための充電期間だとしても、やっぱりね。

END. Electric Prophet
バトンを床に立てて立ち去る映像。星空が広がる中、3人が中央に並び、穏やかな笑顔でめいっぱい全方位に手を振ってくれた後、霧の中に消えていった。
霧が晴れた後、ステージ上にはバトンが立てられている。それを映し出しながらのエンドロール。FANKS の5文字に拍手。そして最後の最後に、彼らからの伝言。

30年間、僕たちの傍らにあったバトンを、一旦みなさんに託します。
預かってくれる方は、QR コードにアクセスしてください。

QR コードを読み取れるようにしておいてほしい、と先生が事前についったーで言っていたので、開演前にインストールしたアプリを起動。自席ではうまく撮れず、終演アナウンスの後にスクリーンに近づいてコードを確保した。
そして、わたしも「バトンを預かった『調査員』」になった。

Epilogue

ま、スクリーンに向かって必死になるより、扉や柱にこれでもかと貼ってある紙の方が読み取り早かったと思うんだけどね。通常は撮影禁止の場内で、いくら終演後のイベントだからといって全員が一斉にパシャパシャやってるのは不思議な光景であった。

全身に余韻を漂わせたまま、新横まで歩いた。もっともその後は余韻どころではなく、ハマ線がさっぱり来ないとか、自宅付近に着く頃にはもう21時で腹ぺこすぎとか、翌日に引っ越し荷物搬出とか、いろいろあったわけだが、それはさておき。

2012 年からの一連の「30周年シリーズ」。1話につき1公演ずつという控えめな割合ながらもすべて参加できたことは、これまでの FANKS 人生全体においても大切な思い出として残り続けるだろう。
「次」まではしばしの潜伏期間。地球各地に散らばった同志の皆さんと、そのときを心待ちに。

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