Report – TM NETWORK 30th 1984〜 QUIT30 HUGE DATA @ さいたまスーパーアリーナ / 2015.02.07

今年のライブ1本目はいうまでもなくこちらになりました。昨年のツアーにちょっと単語が付け加わったことでどうなるかと思ったら、とんでもなく別物でびっくり。
スケジュールと予算の関係上、わたくしの参加はこの1公演オンリーのため、遠慮なくネタバレ全開でまいります。どうやら HUGE というのは文字&映像の情報量を含むようで、全然メモが追いつかず。一言一句レベルの正確さは期待しないように。

もくじ

Prologue

パンフ買いたくて16時に現地入り。しかし、パンフとグッズの列が異なることをすっかり忘れて10分以上並んでしまった。まあいいや、日付入りタグ買っとこ。なお、パンフは並ぶどころか即買えた。

開演までひまなので近隣カフェへ。だが、万単位の客を迎えるアリーナの近隣としては格段にキャパが足りてない。あやうく難民になりかけたが、数分並んでどうにか席を確保。

17時半頃まで時間をつぶして再始動。イルミネーションが見頃になっていた。

で、席につく。前回同様400レベル潰しのエンドステージ2、という予想は当たってたんだが。
ほぼ PA 卓の真後ろやないですか!
といってもアルファベット列の終盤なんだけど、勾配のおかげで PA 機材はまったく支障しない。で、ほぼ真正面。もしかしてこれは猛烈に観やすいのではないだろうか。

第1部

* Opening/BGM:Seven Days War
黒人のお兄さん(映像)が投げたバトンを、リアルのウツが拾う。ここまでは通常版と一緒。音もインストで “Revolution” “Communication” だけが響く。なんだ変わってないのか、と思った次の瞬間。

01. Seven Days War
照明がやや落とされた中で数回ループしていた “Communication” が突然、リアルタイムのマイクからの声に。煉瓦の壁の中央に、3人が並んで立っている。
ドラムの細かい刻みをとっぱらって、どこか荘厳な響きのアレンジ。3人の衣装はほぼ黒系。先生がこのときだけグラサンしてたように見える。
曲が終わったところで今回のロゴ(HUGE の G が寝かした電源マークの赤)が浮かび上がり、シンセ&ギターブースが登場。

02. [QUIT30] Birth
歌いながら starring クレジット。フレームで描かれた地球と交互に映し出される世界各国の映像は、通常版の時より種類が増えたかも。締めはやっぱりジャカルタの子供たちの笑顔で。

03. LOUD
木根さんのアコギから入り、1番のサビ前までそのままアコースティックアレンジ。サビに入る前に4小節タメがあったり、最後にみんなで歌う長さやアウトロの長さが倍になってたり。
背後の大スクリーンが生映像を映しつつ、左右に小スクリーンが出てきて、そちらではここ数年(IP 以降)の映像を合わせる。さらにライティングが加わるのだが、前述のような席だったためか視界がフルに光線で埋まった。これはすごい。

第2部:CAROL2015

ラグジュアリーホテルの1室のような部屋が映し出される。ソファの中央に座っているキャロルさん(40)。背もたれの後ろ側に先生がやってくる。
以下、キャロルさんの語りや英語字幕等、大意は引用形式(背景グレー)にて表記。

テクノロジーの進化により、世界は混沌さを増している。それを予見した TM のパフォーマンスは、まさに AR と呼ぶべきもの

04. A Day In The Girl’s Life
1988 版のジャケにある景色のような、柱が並び立つ異世界のような空間にたたずむキャロルさん。その後、ロンドンの都心を中心としたあちこちの風景が流れる。名物・真っ赤な2階建てのバスも多数。

05. Carol (Carol’s theme I)
引き続きロンドンの景色。交差点、古い住宅街の路地、和やかな公園。夕方から夜にかけての、ビッグベン周辺のタイムラプスが美しい。

* Interlude
景色に伴って街の音が聴こえてくる。それをしばし見つめていたウツが、すっと手を伸ばし、つかみとるような動作。その瞬間、音はすべて消え、風景は色を失う。

音楽さえもなくなってしまう、未来への危機感があった

06. Gia Corm Fillippo Dia
ただしインストです。ウツの休憩時間ともいう。そのかわり、中央の空白を埋めるかのような怒濤の光量かつ多色で溢れ出す一面のレーザーが圧倒的すぎて息を呑む。
映像は 1988 版から、当時のジャイガンティカがうごめく姿など。手下どものダンスが妙にコミカル。

* Interlude
17歳から40歳へ。時を経たキャロルさんの表情がオーバーラップ。

1988 年、わたしは彼らから任務を与えられた。そう、わたしも潜伏者なのだ

※追記:よくよく考えるとオリジナルの舞台は 1991 年なのだが(じゃないとキャロルさんの年齢が合わない)、気にしたら負け。

07. In The Forest
ウツが若干衣装チェンジ。黒ジャケットの下に赤いシャツが見える。

08. Carol (Carol’s theme II)
間奏部分。1988 版の映像を再確認するかのように、椅子に腰掛けてじっと映像を見つめるウツ。
終盤、切り替わった映像は、冬の公園でカジュアルなコートを羽織ったキャロルさん(17)。しばし舞い踊る姿や、手にした CAROL の LP(?)をじっと見つめる姿が映る。

09. Just One Victory
概ね FM の CAROL(=外人さん版)映像。ラストの列車乗り込みシーンも含む。そして過去から現在へとキャロルさんの笑顔。
なお、この大サビ前でウツがジャケットを脱ぎ捨てた。赤が鮮やか。

10. Still Love Her
木根さんは12弦ギター。ウツもギターを持ってきた。後半で先生もジャケットを脱ぎ、紫のシャツを着ていたことがわかる。ふわり優しい雰囲気のアウトロも印象的。
小スクリーンで流していた側面展望は、電車ではなく車のようだ。「2階建てのバス」だと思っておこう。

冒頭の1室。先生が去り、残ったキャロルさん(40)が語りかける。

Utsu、あなたはわたしの理想の男性でした。あなたは今もわたしの心の中にいます。I love you.
Kine、あなたはわたしの兄のような存在でした。あなたといると笑顔になれました。
レイチェル、リトル・キャロル、おつかれさま。戻っておいで

ここで小スクリーンにその2人が映る。えっ、レイチェル? キャロルの姉というのはわかるが(ソースは先生の小説)…すみません、ここまでの映像のどれがレイチェルだったか正直わかりません。

Fanks、あなたたちに大切なメッセージを伝えます。聴こえますか? 心を開いて

メッセージが何であるかは語られない。答えは観た人の心の中に。
最後に文字だけが静かに流れる。

時代を越えて、ここに戻ってきてくれて、ありがとう

モノクロな静寂のロンドン。時を刻む音とともに街の音が巻き戻され、鐘の音を合図に、色と音が取り戻される。

第3部

11. LOOKING AT YOU
暗い中、前方で歓声が上がったからなにかと思ったら、木根さんがアコギ1本で中央に立った。既にジャケットは脱いでおり、青いシャツ姿。サポさんもアコギとパーカッションで盛り上げる。
しかし、リリース当時と比べるとボーカルスタイル変わったねぇ。

12. Always be there
引き続きアコースティックスタイルで。
ちょっと余裕が出てきたので、シャツを見比べてみた。襟と袖は全員黒。それ以外は黒い部分が異なり、ウツはブラケット、木根さんは胸ポケットのふたと肩ヨーク、先生は前身頃の半分(ジャケット着た時に隠れない部分)と肩ヨーク。赤・青・紫って配色は IP のスーツと同じやね。

* Interlude
キャロルへ、3人へ。それぞれに渡されるバトン。
画面は24分割となり、世界各国の映像が流れる。すべてを詳細に比べることはできないが、おそらくロンドン・ジャカルタ・香港・東京のミックス。

13. WE LOVE THE EARTH
地球(フレーム描写ではなくリアルな外観)から宇宙へと飛び出すバトン。地球の輝きを表現するかのように、青く光り輝くミラーボールが会場じゅうをきらきらさせる。

14. Get Wild
先生ソロはイントロに含みます。強い4つ打ちから次第に通常版のサンプリングボイスへと切り替わっていく展開。先生が大きく手を上げて鍵盤へ叩きつけるのに合わせて爆発どーん、を数回やってからの本編。
後半になればなるほど、ブース内の先生の動きがぴょんぴょんしてきてすごいノリノリだった。ここもレーザーバンバン出てて壮観。
で、ラスト。ひとり残った先生、赤いシンセをラックから外して担ぎ上げ、つまみをうにうにいじり放題。センターの段差にもたせかけ、鳴らすだけ鳴らして置いてった。最後にもっかい、どーん。年末のフェスでやったといわれるパフォーマンスもこんな感じだったんじゃないかと。

15. I am
夜景俯瞰からの側面展望という映像は通常版と変わらず。ただ、オーバーレイする CG の柄は多少変わってるかも。
序盤で銀テープ発射。前方の人が拾って振ってた。後半では先生と木根さんが立ち位置を入れ替え、舞台袖まで走っていくなど、すっかり盛り上げ曲としての安定感を獲得した感。そして締めのウツの台詞。
Yes I am, yes I am, yes, I am a human. We are human.
最後の1文は手を広げ、客席を示して。

* Interlude

皆さんのエネルギーを借りて、時代を表現してきた30年でした。人生のワンシーンを思い出してくれたら光栄です

そして穏やかな青空に文字が浮かぶ。

There will be love & peace
from
HUGE DATA

16. Fool On The Planet
地球規模な曲が目立つセトリだった。締めも地球系。
照明が、下手・青、上手・オレンジと非常にくっきりしていたのだが、後半の映像で納得。夜明けや夕陽の表現だった。いつの日もこうして、綺麗なおひさまを眺められるといいね。そんな願いを感じる。

* Ending
エレプロらしきインストが流れる中、中央に集まった3人。やがて霧が立ちこめ、その姿はすっと消える。星空だけが残り、エンドロールへ。文字すべては追いきれなかったが、3人とキャロルさん以外の潜伏者にもきちんと IP ナンバーが割り振られていたことに少し驚いた。
場内一同で FANKS の文字を見届け、最後に今回のロゴが出て終幕。1809 開演、2002 終演。確かに若干短いが、それ以上にあっという間の体感時間だった。

Epilogue

潜伏者物語とライブシリーズの相関はこんな感じなんだろうか。妄想込みでざっくり整頓。

  • BE:キャロルをつくって地球(1974 ロンドン)に送り込む→キャロル(17)を召還して FM に続く
  • CAROL オリジナルツアーに相当?:キャロル(17)に任務を与える
  • FM:キャロルの潜伏者として最初の仕事=start investigation
  • Q30 HD:キャロル(17)〜(40)の仕事まとめ
  • Q30 通常版:3人の30年間の仕事まとめ

IP がどこに相当するのかちょっとわからん。30年間のどこか、という設定かも。どちらにせよ、辻褄を合わせることが可能になったという意味では確かにファイナルシーズンだったと思う。
ただ今回に関しては「13年にやるはずだったけど諸事情で外人さんに託すしかなかった CAROL を同一会場でリベンジ」という可能性も。既出の通り N 期から入った自分は「ウツが歌うナマ CAROL」未経験だったんで、そういう意味でもライブで聴けたのはよかった。
さて、あとは来月の横浜か。これまでの反動で定番曲満載になるのか、それとも予想を大幅に逸脱してくるのか、楽しみにしておく。

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