実録・おひとり様物語 古都編 (1) 緑の支配

そうだ。とひらめいたわけではなく、わりと計画的に京都行ってきた。でも昼過ぎくらいからどんどん行程がアドリブ化、しまいには当初候補にすら入ってなかった場所にまで足を伸ばしてしまった。
観光ネタと鉄ネタを混ぜると「みやび感」が強調できない気がするので、まずは前者から先に。

正午過ぎ。10年ぶりの四条河原町。まずは改札出たその足で食事処へ。

食後に全体像撮っといた。モザイクダイニング。って阪急百貨店のレストラン街のことかい、と気づいたのは現地に着いた後。
季節限定、きのこメインのちょい辛。京風パスタは大変おいしゅうございました。でもデパートの中なのにカード使えないのはなんとかしてくれ。

美味かったけど、のんびり食休みする時間がない。そそくさと地上に降り、バス停へ。えーっと、205系統がさっき行っちゃったから、10分待つのかなぁ。おや、別のが来た。あーでもこれ停まるか判らんし、うーん。
と、バスマップ片手にうなっていると、隣で待っていたおばちゃんが一言。「どちらまで?」あ、えーと御苑なんすけど。「それならこれ(=別の)も停まるわよ」なんと! とまあ、地元の方に助けられたとさ。ありがたや。きっと似たように悩む観光客が山ほどいるのだろう。

そんなこんなで、4系統を降りて少し歩くと、出発寸前に思いつきで決めた目的地。

え、意味不明? じゃもうちっとわかりやすいのを。

重厚な門の向こうは京都御所。そう、ここは京都御苑。
広いのかなぁとは漠然と思っていたが、いやー本当に広いわ。入ったとこからここまで10分以上かかったし。砂利の上を延々と歩くのはえらく足に来る。スムーズに巡回する皇宮警察の車がうらやましい。
しかし、植物の移ろいを期待して来たのだが、御苑は基本的に林でできているらしい。ひろーい砂利道の間は緑だらけ。限られた時間の中かろうじて見つけたのは、

うっすら色づき始めたかえでと、

そこだけ目立つ桜の葉くらいだった。甲山と同レベルかい。当分先の見頃には、ここも人であふれることだろう。


わずかにすすきが植わった場所で別の用事を済ませた。まだ15時台。…もう1ヶ所行ける? 帰宅時刻を計算したら、ぎりぎりで行けることが判明。よーし。
で、着いたところは大変有名なスポット。

渡月橋だよー。京都嵐山といえば必ず紹介される見事な橋。欄干は紛れもなく木製だが、車も通るんでしっかり舗装されてるのはまあ、そんなもんだ。

振り返れば TV でもよく観る風景。

渡りながら川上を観ると、光る水面にひらりと浮き舟。


ちょうどお茶しようと思ってたところ、眺めの良さそうなカフェを対岸で発見。橋のたもとを見下ろしながら、ほうじ茶ゼリーと2種のアイスと白玉のパフェ(かりんとう付き)。観光地価格だが、実に美味い。バニラアイスとゼリー、抹茶アイスに包まれた白玉、甲乙付け難いよくばりな一品。
嵐山の昼は短い。この店も5時半閉店。ま、もう帰る時間やし。

改めて橋から山々を見上げると、すっかり沈んだ夕日が最後の光を空へ放っていた。橋以外全然深入りできてないので、そのうちまた来るかな。

今回、先へ進むごとに空気が穏やかになるのを体感した。秋景色狙いにはあまりにも早すぎたが、一面の緑と水音が心を静かにしてくれた。「日本に、京都があってよかった」とは移動中に見かけた京都市の広告だが、よく言ったもんだ。

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