実録・おひとり様物語 発見編 (4) 妖精のあしあと

宿移ったら一気に快適度が上がってびっくりだよ。やはり居住空間は新しいに限る。とかなんとか宿のまとめは次に譲るとして、本日のお散歩記録。

宿のレストランから通りを見下ろした。車道も歩道も、踏まれた雪はすっかり解けている。これなら普通に屋外を歩けそうだ。
いい天気。雪雲が冬の空気を澄ませたか。

こちらへ来る寸前に入手したばかりの小ぶりなキャリーケースをごろごろ連れて。当座の生活資金を下ろして、オフィス街の谷間を行く。
NS ビル前には、昨日の白銀の余韻が。

で。どこの田舎者だと笑われそうだが、また都庁に来てしまった。だって昨日あまりにも何も見えなかったからさぁ。さすがに今日はたいていの建物がよく見えた。東京タワーは若干霞んでうまく撮れなかったが、輪郭ははっきりと。

残念ながら、富士山はわずかに輪郭の一部が見えた程度。

しかしなんだこの白さ。遠く遠く、おそらく多摩の方まで、ひたすら屋根が全部真っ白。すごい壮観。むしろ、ただの晴天では得られない快感。

なんか面白くて、屋根をクローズアップしてみたり。

しばし椅子に座って気が抜けて、それから歩いてみようと思った。この建物の中、歩ける場所をね。人はそれを都議会見学と呼ぶ。

半円形の回廊を東へ進む。展望台以外は行っちゃいけない場所みたいに見えてたから、ちょっとおそるおそる。てか、他に見学者がほとんど見当たらないせいだ。何故いないかっていうと単純な話で、議会が休みだからだと思うけど。

この写真でいう右上の、上空から観ると楕円形の物体。此処がメインの議事堂だった。低いように見えて実は7階。

それだけ観て回ると、なんとなくお腹がすいてきた。エレベーターで一気に1階へ下りる。案内に書いてあった「議会レストラン」なるものが何なのか、興味半分で。響きは公立食堂っぽいチープな感じなのだが、果たして。

ってライオンかよ! 昼食即決。
当然だが、客の大半は近隣サラリーマン。5人だの9人だの大所帯が基本。これ多分、都職員以外も普通に来てるよな。


まっすぐな日光が、中庭(都民ひろばって言うのね)の薄い雪を解かしつつあった。

昼食を終えて出て来たら、花壇に残った雪も日なたでは大半が消えていた。しおれた花と元気な花が共存していたのは、後者のこの子は雪の後に咲いたのか。

隅にかき集められた塊も、あと何日かすれば跡形もなく消え去るだろう。
こうして、数年に一度の帝都雪祭りが終わる。とか呑気にポエティックなこと書けるのは、自分がまったく被害くらってないからだよな。うん。

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