異邦人、香港へ行く (36) 品質保証

実家から今度はりんごが届いた。今回は表記の品と異なるもの(梨の合間にジャムが入ってるみたいなやつ)はなかったが、そのかわり箱じゅうりんご。その数16個。いやいやいや夫婦で食べきれる量じゃないですから。努力はするけど。
さて、香港ネタは最後のおまけで「みやげ話」を少々。

この異国の地において、日本企業に出会う場面が結構多かった。

これはわかる。国内同様にキャッシュバックやってるとこまで含めて。中環でキヤノンとニコンが仲良く並ぶ看板もあったが、実際カメラブランドは世界標準だからね。

吉野家があることも事前に把握していた。が、よもやイタトマまで進出していたとは。その他、家電屋の三菱や東芝だったり、銅鑼湾のネオン看板にも見慣れたロゴが続出した件は既出の通り。

そしてそれ以上に我々を釘付けにしたのは「日本風のなにか」。

このような「どう観ても E2 です」的な物件も散見されたが、さらに興味深かったのは言語的な側面。

尖沙咀駅前。突然見慣れた文字が目に飛び込む。

紛れもなく平仮名の「の」。でもちょっと待て、「優の良品」てなんすか。日本語として成立してませんぜ。
空港に出店できる程度には大手らしいが、「甘栗むいちゃいました」にしか見えないパッケージもちらほらあってあやしい。だいたい店名自体が無印の真似くさい。ネタ要員で購入も検討したが、意外と値が張ってて断念。

どうやら香港では、とりあえず「の」を入れれば日本風=ハイクオリティっぽい、という一種の流行があるらしい。言われてみれば確かに日本語は「の」を多用するわけだがしかし。

マンゴースイーツの許留山もこの通り。そういや、エッグタルト2軒目の東海堂も日本風表記全開やったわな。
と、万事おいしくいただければ良いのだが、「の」物件には時折、優の良品を軽く凌駕するあやしいものが混じっている。例えば MTR に堂々と看板出してるこちら。

それ本当に東京医科大学お墨付きですかね。
写真ではフレームアウトしてしまったが、企業名が “YAMADA MIYURA”。ミユラってなんすか。会社サイト覗いたら、かの有名な養蜂場も巻き添え食らってるっぽい。絶対日本関係ないやろ、おたくさん。

それはさておき、結局我々がおみやげにしたのも「日本企業の現地法人」の品物。

プリッツですよ。フカヒレスープ味とエビ(マヨ)味。確かにそれっぽい味。

さらにコロンですよ。猛烈にマンゴー全開なマンゴープリン味と、普通にお菓子として妥当なエッグタルト味。以上4点、空港の「お菓子ランド」とかいう店で購入。日本でお馴染みのご当地フレーバーが香港にまであるとは恐れ入りました。

なお、非食品部門は3日目に仕入れておいた。

上環の西港城で開店を待ったのは、模型屋「80M 巴士專門店」が目的だった。元は文字通りバスがメイン(オーナー氏がバスヲタらしい)のようだが、トラム含め公共交通ならなんでも扱っている模様。実際タクシーに MTR にスターフェリーまであった。いい店だ。
ということで、1/76 ダイキャストの原色と、単3電池で動く 110 号車記念柄(駅・レール・ポイント付属)等をお買い上げ。前者を選んだ旦那さんは、1/80 の人形を乗せようと画策中。

最後に、ある意味地元ならではのお持ち帰り品について。

観ての通りタブロイド系の新聞である。いずれも最終日=結婚記念日の発行。当然広東語なのでろくに読めないが、漢字で雰囲気を察するのもまた一興。
蘋果日報(日本の元旦並みに分冊多数)は復路キャセイで入手。香港の新聞社きっての民主派らしく、読んでみたら確かにデモ隊寄りの論調。余談だが、跑馬地の競馬場がこの週まで改築中で翌週オープンと知ったのは競馬分冊のおかげ。
もうひとつ、頭條日報は街頭で無料配布。広告収入で支えるビジネスモデルっぽい。見出しのデザイン処理が無駄にかっこいいのも見どころだが、記事よりなにより裏表紙の広告が卑怯だった。

鮑魚先生ってなんすか。この絵面のインパクトが全部持ってったというオチ。

Like
Share

公開から30日以上経過した記事のコメントは締め切っております。あしからず。