なにわ近代これくしょん (3) 瓦斯と遺跡

初めてふるさと納税にチャレンジしてみた当家。週末にオンラインでさくっと手続き、2自治体から4つのお礼をいただくことになったのだが、第1陣が早くも到着。毎度おなじみ(?)五島うどんです。わーい。残りの3品も楽しみ。
では本日も大阪の建物を観て回る会のお話。

御堂筋に出ると、よく知られた物件が構えている。

大阪瓦斯ビルヂング(登録有形文化財)。昭和初期に建てられた、いうまでもなく大阪ガスの本社所在地。お世話になっております。
実はこちら、前々回の野村ビルと同じ安井武雄の作品だった。そう言われてみると、フロアの境目の仕上げ方やアールのつけ方に共通点が見えてくるような。

当ビルは1棟で1区画を占有している。せっかくなので、ぐるっと1周。

北側の半分(北館)は戦後に増築。安井の後継者が手がけたということで、窓の形状こそ異なるものの、豪華客船のごとき偉容には変わりなし。

北玄関の傍にガス灯を発見。会社としての原点を感じさせる。余談だが、綿業会館前の通りに並んでいるのもガス灯らしい。

当時からその先進性が讃えられていたというモダンな空気は、今なお漂っているようにも思われた。

再び御堂筋東岸に渡る。本当言うとそろそろおなかがすいてきまして(この時点で12時半)第一目的を飲食店探しに変えたのだが、途中で方針転換。いや、目の前に次の物件が出てきちゃったんで。

芝川ビル(登録有形文化財)。なんかいろんな様式が混じっててかっこいいぞ。

一部は経年で若干欠けたりしているものの、そこはかとなく漂う遺跡のような風格。それもそのはず、主に使われているのはマヤ・インカ風の装飾。なかなか他の近代建築ではお目にかからないタイプかも。

豪商のオフィスとして生まれ、戦前は学校にもなった末、現在は随所にテナントが入った雑居ビル。

なので、ふつーに玄関から入れる。ロビーだけでもかなりの特色あふれる空間。

こんなよく見えるところに銘板が掲げてあるのもおもしろい。関係者各位の誇りを感じる。

とりあえず廊下を覗く程度にしておいたが、なんだか昔の学校か役所みたいな堅実な雰囲気も。

そして当ビルには重要なご当地エピソードがあった。なんと、マッサンでおなじみニッカの前身の会社がここで設立総会を開いたというではないか。ビルの施主・芝川又四郎は同社の出資者であり、マッサンがかつて住んだ家の家主でもあったそうで。意外なところで著名人の足跡に触れる結果となった。

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