田舎ぐらしのリアリティ (11) 卯建を掲ぐ・1

今日はちょっと思い立って神戸の山の方で遊んできた。フリーきっぷの類を大いに有効利用して、鉄分(?)あり動植物あり観光もありの盛りだくさん。快晴に恵まれて PM 飛来の割には眺望よかったので満足です。
なわけで連休の岐阜の巻、最終日のお話へ。

4人揃って家庭菜園に集う午前。陽射しが強く、農家のおばちゃん仕様の帽子を母に借りる。たまに麦茶などで水分補給しつつ、父は育ってきたスイカの苗を植え替え。母と我々は雑草取り。たまに来た自分みたいにちょっとつまむ程度なら面白いレベルで済むが、やはり毎日面倒みるのは大変だ、と両親は笑っていた。なんだかんだで2人とも「仕事のない人生」をうまいこと楽しんでいるようだ。
じゃ、そろそろ帰るか。昼前に出発し、東海北陸道を南下。しかしまっすぐ帰るはずもなく、美濃で下りる。そして向かったのはまたまた重伝建であった。

うだつの上がる町並み。うだつといえば美濃と言ってもいいレベルの、うだつ多発地区。
余談だが、実は美濃市内にも親戚(伯母一家)がおり、なんと町並み内に事務所を構えていることが判明。見覚えのある表札にピンときて、帰宅後母に確認したらビンゴだった。

過去にも他の町並みで既出だが、うだつとはコレである。

家と家の間、2階のでっぱった壁から小屋根にかけての全体をそう呼ぶ。

特にここの物は大半が、いかにも防火壁として役立ちそうな大層立派なうだつを競って上げている。うだつが上がるとは富の象徴、というのが非常によくわかる。

著名かつ特に古いのが、この中央にある旧今井家住宅。

それにしても、これだけずらっと並ぶと極めて壮観。比較的新しかったり改築したりされた建物も、きっちり空気を読んでいる。銀行を2ヶ所見かけたが、ちゃんと景色に溶け込む努力がなされていた。条例とかもあるだろうな。

時折、2階の軒先に神棚のようなものが載っているお宅がある。

防火の神様が祀ってあるそうで、どこまでも防火に熱心なのはここも同じ。

しかし、いい感じのうだつを撮ろうとすると結構な確率で車が停めてあって一気に時代錯誤感が出るんだが、ある意味「建物が使われている証」と考えれば悪い話ではないのだろう。

しばらく進むと、道の角にどんと大きなお家が。

こちらは旧武藤家住宅。がっつり装飾されたうだつと、大きな蔵が目を引く。

蔵は照明店で、お屋敷本体は近々和食屋が入るとの告知。テナント入れ替えはよくあることらしい。

そのお宅の角を曲がり、もうひとつの通りへ抜けていく。小道のうだつも意外と侮れない。

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