小京都へようこそ (2) 茅葺き静態保存

ねんきん特別便きたー! 母にね。わたしは当分先か。
さて、ここからは普通に旅の話を。絵に描いたような高山観光って、多分それこそ中学以来やってないんで、記憶がないに等しい。おかげでわりと新鮮に観れたよ。

初めて通る東海北陸自動車道。早速渋滞に巻かれたりしつつ、着いたのは15時前だった。
市街地からも観光名所からも微妙に遠い宿。ので、父は迷わずタクシーを依頼した。宿の人が言うには、今日はやたら混んでいて配車が遅れがちらしい。まぁ連休中日はしゃーないな。ほの甘で美味い冷やし抹茶をロビーでいただきつつ待つ。

20分ほどでようやく車が来た。まず向かったのは飛騨の里。合掌造りというと白川郷が断然有名だが、ここにも少々あるというので。

あー、この緑に埋もれっぷりがいいわー。
と見とれてるそばから父が、30円で売ってる長い麩を超嬉しそうにちぎって鯉に餌付けしてるのは気のせい。そんなんやっといて「観光地だな」はないやろ。

ここの家々はかつて実際に住んでいたらしく、「旧○○家」と書いてある。古い農作業用具の展示なんかも使い込まれた感が。脱穀や精米の道具観て思わず「教科書で習った」とつぶやいたら、母が「そういうのがうちにはあったのよ」うん、納屋で観たことあるかも。

かつてはこの家の人が面倒を観ていたであろう稲穂が、よく頭を垂れていた。


山里の昼は短い。16時前だが、既に陽光は夕方の様相。苔むした屋根に落ちる光と影のコントラストも強くなってきた。

ひととおり回って、里に別れを告げた。これが今なお実際に住んでいる家ならもっと素敵なのにと、田舎の木造住宅暮らしを夢見る父はしきりに残念がっていた。

細かいところをゆっくり観たらもっとかかるのだろうが、ざっと1周して30分。今回の我々的には非常にちょうどよかった。というのも、タクシーとの約束があったのである。
次の移動に使う車が拾えそうにないからと、里での待機を運転手さんに持ちかけた。すると彼が別の方法を提案。なんでも、今日はずっと忙しくガソリンを入れる暇もなかったので、里を観ている隙にスタンドに行きたいらしい。で、里着いたらメーター止めて精算、満タンにしたら戻ってきて待機しとくんで、そこからまた新規で乗る方が安い、と。なるほど。交渉成立。

そんなわけで、出口からすぐ、降車したのと同じ場所には、さっきの車がハザードランプ出して待っていてくれた。実際辺りを見回しても他を拾えそうな気がしなかったので、作戦は大成功。ほいじゃ次のところへお願いしまーす。

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