羽越、雨のち晴れ。(7) くりかえす蔵

ただいまー。想定してたより短期間の遠出だったので、旦那さんは拍子抜けしたようだ。まあしかし長居すると宿代や食費も余分にかかっちゃうし、用事が済んだ人はとっとと撤収するのが吉でしょう。
てことで日本海探訪、最後のお立ち寄りスポットから。

まっすぐ帰ったかというと、実はそうでもない。朝寄ろうとしたら開いていなかった、酒田市内の観光地を見物してからにしよう。

山居倉庫といって、ざっくり言うと米蔵がたくさん連なっている区画。明治の建築でありながら、今なお本来の目的で現役というから恐れ入る。

シンメトリーな蔵が、ほぼ同じ形状で横並びにずらり12棟。お見事ですな。

ここは川沿いでもあり、地理に応じた設備が倉庫の向かいに散見される。

例えば傾斜部に舟を上げて、荷物の積み降ろしをやっていたようだ。

水面に触れるレベルまで、歩いて降りられる坂もあった。実際歩いてみると結構急かも。

倉庫の北端近くには、近年整備されたと思われる木造りの橋。まあ欄干から下はさすがに木製じゃないかもしれんが、雰囲気作りも大事だからね。
欄干の形状は、きっと倉庫をかたどっているのだろう。

山形は米どころ。庄内米の苗がいくつか飾ってあった。

しかしこの蔵、東側も美しいが、西側に回り込むとまったく違う表情を見せてくれる。

黒い木の壁がずっと向こうまで続く。それと対面してこれまた奥まで続いているのは、けやき並木。

けやきがあることによって、夏は避暑、冬は防風の役目があるという。倉庫内の環境をできるだけ一定に保つための、先人の知恵。結果、実用だけでなく見た目にも美しい風景となったわけで、一石二鳥やね。

木漏れ日が壁を飾り、まぶしいばかりの緑が彩りを添える。写真講座かなにかで訪れていた団体さんも、しきりにシャッターを切っていた。
倉庫から店舗に改築された棟でおみやげを仕入れて、今度こそ帰るとしよう。

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