オトナの修学旅行 (9) 古き街路を歩く・2

今季初のひぐらし観測。去年も似たような時期に出没していたようだ。しかし、10代の頃毎年のようにキャンプに行ってて、せっせと夕飯作りに励む頃の BGM といえば決まってひぐらしだったせいか、未だに聴くとキャンプ気分になる。ある種の懐メロみたいなもんですかね。
さて5月帰省旅はようやく初日ラスト。

米飴を買ったお店の近くに、ナイスな施設があった。

「ならまち格子の家」とある。2連の町屋を再現したものを公開しているようだ。なんと入場無料。太っ腹な運営に感謝しつつ、見学することにした。

店舗兼住宅という、昔ながらの家でよくある構成。

正面左側の格子の内側には、商いに使う部屋。格子が午後の眩しい陽射しを和らげており、「目隠し兼明かり取り」であることがよくわかる。

部屋の脇には土間。見上げれば大きな吹き抜けが狭さを忘れさせる。

土間は台所でもある。お釜が3つも据え付けられるかまど。商店ならば従業員の分もあるだろうし、やはりこのくらいのキャパは必要かと。

間口は小さく、奥行きが大きい。町屋ならではの懐の深さは、商い部屋の奥の空間で顕著に表れていた。

中庭の脇を通って奥の部屋へ続く外廊下。採光目的でもあり、季節の趣を家の中に取り入れる場所でもあり。

他の見物人が途切れた一瞬を突いて、商い部屋から一番奥の部屋を望む。このように全部開け放てば、夏にも風通しがよさそう。前述の通り、背後は格子だから防犯上問題ないし。

商い部屋の隣室には階段があり、2階にも上がることができた。

思ったより広い。さすがに正面寄りはきわめて天井が低いが、それを差し引いても空間利用に無駄を感じない。なにかと生活の知恵が凝縮された建物であった。
なお、入口すぐのところにはベンチがあり、休憩所としても使える。我々もここで少々足を休めてから、駅への帰途に就いた。

先程バスで降りた通りを渡り、さらに北上。

点在する和の町を抜けながら進み、商店街をゆるゆると歩いて、近鉄奈良に戻ってきた。

って東口の方が断然立派やな。徒歩客にはこちらの方が表玄関ってことかね。

奈良といえば今のところリニアの途中駅候補地でもある。やっぱり鹿なんかい!とか、奈良に空港ないやんけとか、その文字のスピード感は昭和のセンスやなとか、ツッコミすればきりがないが、地方都市どこに行っても高速交通がこういう扱いになるのはデフォのようだ。まあ開通後がバラ色とは限りませんが。
ともかく、随分歩いて疲れたので、あとはまっすぐ実家をめざす。必然的に奈良〜難波も制覇。近鉄攻略はこの1日でだいぶ進んだことになる。

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