出張視察案内人 (6) 宝石の土手・2

台風接近というんで、雨が相対的に控えめだった昼前に買い物。だがしかし、避難準備情報など出る中で自宅待機していたら、夕方よく買い物する時間にはすっかり止んでいた。いつも通りでよかったんかい。なんか損した気分。
まあそれはさておき、引き続き6月伊丹夜の部から。

夏至間近である。まだ意外と明るい。東京と30分くらい違うもんなぁ。とりあえずあれこれ撮りつつ、暗くなるのを待つ。

うわぁ。ごくたまにエコくない黒煙をもふっとお吐きになる方もいらっしゃる。けむーい。

しばらくすると、徐々に風景の色合いが変わり始めた。

なんだろうこのピンクっぽい空。いま手近にあるもので似た色を探したら、あいぽんのローズゴールド。

夕焼けが望めなかったかわりに、空一面の雲がホリゾント幕のような役目を果たし、残照を大きく広げる形になったのかもしれない。

そんな不思議な色合いは、ものの10分足らずで消えた。

そろそろ撮る方も夜間モードに切り替えていかんとね。ISO も構図も、昼間と同じようにはいかん。

誘導灯のコントラストも強くなってきた。気をつけないとこんな感じで縦線が勝手に発生するのだが、これはレンズ前面のプロテクターが悪さしてんのか、カメラ本体のセンサーがあかん(こういうシーン苦手)のか、はてさて。

さあ、いよいよ夕闇迫り来る頃合い。

19時半。山肌を中腹まで埋める住宅街に、少しずつ明かりが灯り始める。

その数はわずか数分で明らかに増えていた。あちこちのご家庭で、夕飯や団欒のお時間を迎えていることだろう。

逆向き運用の際、住宅地の上を飛ぶことからしばしば啓徳に例えられる伊丹。あんな高層ビルの林はないけど、夜景で観るとちょっとだけ雰囲気が近づく気がする。

夜の土手へ足を運んだのは、もちろん離陸目前のあの現象を念頭に置いてのこと。

ただ、経験上 JAL 機ではあんまり出ないことはわかっている。

そのかわり、尾翼に舞う鶴と、自らが発したライト、そして地上の点描が、おそろいの赤を纏わせる。

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